mohno

ドメインに関する話題を取り上げます。と思いましたが、まあ色々と。

mixi 利用規約に見る責任恐怖症

mixiの新規約がひどすぎる件」(おごちゃんの雑文)に「「日記」に関する規約が酷い」<昔のmixみたいだ、と思ったり:-)」というコメントを書いたところ、「……こういったことってもう昔のパソ通の時代から何度も繰り返されて来て、その度に炎上して結局ひっこめる… ということをやって来たことだ。……」と反応してくださった。でも、軽く書いたことが少し誤解されてしまったと思うので、ここに補足しておく。

あのコメントは「日経 mix のときにも、同じような話があったなぁ」という程度の感想であって、著作財産権や著作者人格権についての免責を求めておこうという姿勢に、ことさら反対しているわけではない。たとえば、「みんなのシネマレビュー」はログインするたびに「著作財産権については本サイトに属するものとします」ってメッセージが出てくる(←さすがに煩いと思う)。YouTube の利用規約だって、投稿の所有権はユーザーが留保すると明言されてはいるものの、複製や頒布、改変など、およそ考えうるあらゆる行為の許諾を前提にしている。(あ、そこの人、どうせ、自分の著作物じゃないから気にしてないよ、とか言わないように) これは myspacefacebook でも同様で、書き方として「著作権はユーザーが留保するが、実質的に何でもありだよ」と表現されている点を別にすれば、この手の条件を付けることは無料サービスでは珍しいものではない。日経 mix のときは「有料サービスなのに、これかよ」と思ったわけだが、振り返ると、結局日経バイトへの抜粋掲載くらいだったので、そのためにいちいち個別の許諾を求める手間を省きたかったためかと考えると、そう目くじらを立てるようなものではなかったようにも思う。

mixi にしても、コンテンツを利用して色々サービスを広げたいと思っているだろう。そのために目ぼしいコンテンツを利用したり、それこそパンフレットの画面キャプチャに使いたいということはあるかもしれない(いや、実際、どこまでを想定しているかは mixi 自身に聞くべきなのだが)。この規約の表現上の問題点としては、おごちゃんのエントリにも書かれている禁止事項(あるいは許諾・免責が)「妙に具体化して充実している」という点があると思う(でも、この点は現行の規約でも同じに見えるが)。なんだか「てめえら覚悟しろよ」あるいは「何でもやっちゃうぜ」感を全面に押し出してしまったというか。実は、某所の某サービスにもその傾向はあったのだが(直してもらった)、こういう表現からは「責任恐怖症」のようなものを感じる。免責を書いておくこと自体は重要なのだが、たとえば「公序良俗に反する」と書いておけば済むものを、「あれはどうか、これはどうか」と後から言われないために、ついつい具体的にリストアップしてしまう。つまり、「後で」何か言われたくないために書いたものが、しつこい印象を与えてしまい、結局「事前に」言われてしまう、と。

mixi の新規約の本質的な問題は、おそらく「お前、ソーシャルネットワークじゃなかったのかよ」ということだろう。クローズドな場所のつもりで書いていたことが、無断でどこかに公開されてしまったら、書いた人は相当なダメージを受ける場合がありそうだ。とはいえ、そんなことをしたら mixi の存亡にかかわるだろうから、実際に起きることとも思えない(※)。個人を特定しないように使用するとか、あやしいなと思うなら投稿者に確認くらいはするだろう。上記の myspace の規約には、"private" と印が付いたものは myspace 外では使わない、と明記されている(facebook の規約には書かれていないみたい)。まあ、いずれ mixi から、何らかの発表があって、落ち着くところに落ち着くと思うのだが。

※一応、可能性としては、どこかが mixi 買収して、なりふり構わず、個人情報やらコンテンツやらを使いまくる、って可能性も否定はできないけれど。

※追記。
と書いていたら、おごちゃんが新しいエントリをあげていた^_^; 法務部門って、法的に正しいかどうか程度の判断しかしてくれないことがありますね。著作者人格権の不行使については、表現上の問題はあると思いますが、上記のとおり、あちこちで「改変も許諾せよ」と言っていることが言いたいのでしょうね。
このエントリの末尾からリンクされている mixi 側の弁明→「mixi、4月に規約改定。「日記等の著作物はユーザー自身が権利を有する」

※2008.3.9追記。
小倉弁護士が「非公開であることはSNSの特徴ではない」というエントリを書かれているが、もっともな指摘である。上記の「お前、ソーシャルネットワークじゃなかったのかよ」という部分は、必ずしも mixi の全投稿に言えるものではない。それこそ「3000万人を目指している」のであれば、公開制限をつけていないものなど一般公開しているのとなんら変わらない。とはいえ、公開制限をつけているものについては、やはり非公開であることを維持すべきであろう。複数の宛先に送信したメールは、それが Web メールであったとしても、私信として扱うべきと考える。

※もうひとつの追記。
本文中の myspace の利用規約は、英語版のつもりだったが、場合によって日本語版が表示される。英語版を参照する場合は、まず http://us.myspace.com/ を開き、日本語版の場合は http://jp.myspace.com/ を開くことで、それぞれの規約ページを表示させることができる。これでわかるのだが、myspace 日本語版ではあまりしつこい表現がない。日本語化にあたって、それなりの配慮がされているのかもしれない。

posted on 2008年3月4日 19:33 投稿者 mohno

# 著作財産権不行使とか著作者人格権不行使とか @ 2008年3月7日 3:53

先に書いたとおりクローズドなつもりのコンテンツを公開されてしまったら、それは問題だと思うのだが、会員3000万人を目指す mixi において、公開制限つけずに書いたような日記ならば、そういう問題もあまりないだろう。むしろ、商用著作物に比べれば総じて財産価値は低いわけだから、mixi...

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