mohno

ドメインに関する話題を取り上げます。と思いましたが、まあ色々と。

主におごちゃん用(3)

パネルディスカッションなら、そろそろ「まとめ」に入る頃かなあ、という気もしますが、とりあえず普通に返信します。

> 元ネタのところで問題視されている「アニメ」

えーと、これはどこまで戻っているのだろうか。「ペンギン娘」についていえば、ニコニコ動画で配信されたものを DVD 化して売りますよ、という話であって、おごちゃんのエントリのリンク先の、そのまたリンク先の人が「あの品質で、この値段じゃあねぇ」という個人的“感想”を書いてるだけだ。

前エントリに、はてブで、
「一度だけは見てもらえるもの」と「もう一度見たいと思ってもらえるもの」は、けっこう差がある。」それなのに、同様の高いコストが掛かるから前者は違法コンテンツに流れるんだよね。/お試しでも高い金払えと?
というコメントが付いているのだが、言ってねーよ、そんなこと。

なんだか「ぺんぎん娘」に引きずられているのかもしれないが、そもそも「アニメ」の収益源は「DVD だけ」ではない。前エントリでわざわざ「レンタルビデオ」の例を挙げたのだが、これに限らず、テレビ放送のときのロイヤリティもあるだろうし(これは宣伝目的で支払う側にまわることもあるそうだが)、ケーブルTVのアニメチャンネルなどで放送されることもあるだろう。

「ペンギン娘」に限れば、そうした「一度見てもらうこと」による収益を宣伝費と思って諦め、「DVD での収益」に賭けたという話なのではないか。制作者が、そう決めたものについてまで「やるな」とは言わないわけで。

「売り物を探しても見つけられないもの」に限れば、個人的に理解できる面はある。しかし、それは出会う機会に恵まれなかったということだよね。「見逃した芝居」とか「チケットを買いそびれたコンサート」みたいに、どんなに泣いても二度と巡り合えないものだってあるわけだし。

あと以前触れたネットビジネスという点でいえば、「ニセモノの良心」で孝好氏が取り上げているような例がある。(.ANIME の場合の)4話で105円(視聴は2日間)なんてのは、まさに「一度見るためのコスト」だろう。.ANIME では1話目が無料になっているのだが、そういうものでも、動画共有サイトに投稿されているらしい。

まあ、先に映像と音楽の違いを挙げたとおり、本来、コンテンツのビジネスモデルは多種多様である。アニメなんて「マルチユース」を活用する典型的な例だから、「低画質は宣伝目的と割り切って、収益は高画質メディアとグッズで」という判断があっても何もおかしくない。おかしくないのだが、制作側でそういう判断をしていない他のコンテンツにまで、(一部の)ユーザーが強制的にルールを変えてしまえってのは、おかしいだろう。ユーザー、どんだけ偉いんだよ。

あと、誤解を招いてしまったかもしれないが私が「識者」と書いているときに想像しているのは、おごちゃんではない。もちろん、おごちゃんに見識がないって言っているわけじゃなくて(←ボカッ)、たとえば、著作権保護を否定するような発言をするアルファブロガーとか言われているような人である。

また、万引に例えて「有体物と無体物を混ぜて議論はするべきじゃない」という反応をされるのは想定の範囲内ではあるんだが、じゃあソフトウェアだったらいいかな。商用ソフトウェアが不正コピーしまくられた時代に、ソフトウェアで儲けるのなんか諦めるべきだっただろうか。でも、ちゃんと買ってくれる人がいたわけだし、そういう人たちによって商用ソフトウェアが支えられてきたのは事実だ。商用ソフトウェアに対する批判や反感を持つなとは言わないが、だったらストールマンのように「自分でやる」か「フリーのものを使う」というのが筋じゃないか。

結局のところ「誰も真面目にお金を払ってなんかいない」という状況じゃない。商用コンテンツを支えている消費者が存在しているからこそ、そういう市場は支えられている。そして、違法コンテンツの利用者が真面目にお金を払っている人を笑っているという状況が、私には腹立たしいんだよ。

だから、
そこは干上がる池だ。早く逃げろ
なんて言うのもやめてほしいわけだ。ネット上の正当なコンテンツがもっと増えてほしいし、ビジネスとして成り立ってほしい。さらに言うなら、大企業の方が違法コンテンツへの耐性は高く、それこそ「見つけては叩くというイタチゴッコ」に人材を投入したりできる。「吟味」のチャンスを奪えるわけだ。一方、零細・個人は、そんなに張り付けないからやられ放題になったりするわけだけど、それって良い世界?

GyaO から抜かれたコンテンツがニコニコ動画にアップされていて「何でもそろっているニコニコ動画は便利」なんて称賛していた識者もいたけれど、コンテンツを真面目に調達して広告モデルを築こうとチャレンジしている GyaO と、コンテンツ調達費を払わない上に回線費用も徴収しようっていうニコニコ動画を比べて、よくそんなことが言えるなと。

YouTube にしろ、ニコニコ動画にしろ、経緯はどうあれ「ネットでの動画共有サービス」を一般化してくれたという意味での貢献はあると思う。だから、そろそろユーザーは違法コンテンツから足を洗って次のステップに進んでもいいんじゃないのかな。っつーか、アメリカなんかではオリジナルコンテンツがけっこう出てきてるって話も聞くんだけど、どうなんだろう。

posted on 2008年6月23日 0:34 投稿者 mohno

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