mohno

ドメインに関する話題を取り上げます。と思いましたが、まあ色々と。

早熟の天才のためにマジコンが欠かせない?

恣意的な発言で知られる小倉弁護士が、珍妙なことをおっしゃっています。
「ゲームソフトなんて、専門学校かなんかを卒業してそこそこのソフトハウスに入社してから開発を勉強すれば十分だよね。学生時代から自主的にソフトを開発してしまうような天才はわが国のゲーム業界には不要だよね」ってお話なのだと思います。私の小学校の友達には、中学生時代からゲームソフトを開発しては賞金稼ぎをしていたような人もいるのですが、任天堂はそういう人材は不要ということのようです(彼は、大学卒業後任天堂に入社したはずですが。)。まあ、早熟の天才は、iPhone用のゲームを開発していろということのようです。
息子の口から「○○君がマジコンってのを持っている」という話を聞いた時には、そんな普通の人にまで浸透してきたのかと驚いていましたので、マジコン訴訟の判決理由には興味を持っていました。このエントリで MOD チップ(相当?)のものが入っていたらしいと知り、いくらか疑問が氷解したところです(そりゃ入っているか)。というより、MOD チップって、まさにその平成11年の改正で配布や販売が禁止されたのではなかったでしたっけ。wikipedia にもそのように書かれています。もちろん、米国でも違法とされているはずで、疑うのであれば「わが国のゲーム業界」なんてお茶目な話をする前に、マジコンを大々的に米国進出することでも考えてみればよいでしょう。といいますか「わが国」だけの問題であれば、米国進出を阻む理由は何もありません。米国で何事もなく温かく受け入れられるとしたら驚きますが、実際のところ懲罰的賠償金を支払って撤退させられずに済む確率は低いと推測します。もっとも、条文の解釈については脇に置いておいてもよいでしょう。取り締まるべきものを取り締まれないのであれば立法論として考えればよいのですから。

さて、冒頭の段落は大変興味深い(というより味わい深い)ものです。中学生時代からゲームソフトを開発しては賞金稼ぎをして大学卒業後に任天堂に入社したという小学校のお友達に「ゲーム開発の天才をつぶさないためにはマジコンを規制すべきじゃないよね」と訊いてみてほしいところです。小倉弁護士のお友達というところで、一抹の不安を感じないでもありませんが、常識的には「おめーなんか友達じゃねえ」という類の返事が得られそうに思います。もちろん、小倉弁護士は登大遊氏のことなど知りもしないのでしょう。

さらに、このお友達の中学生時代にはマジコンなんてありませんでしたし、今の世の中にはマジコンを使わずとも、いくらでもゲーム開発の腕試しができる環境はあります。そもそも、Nintendo DS のゲームを開発するスキルをアピールするためですら、マジコンで開発経験を持つことなど必要ありません。そんな前提認識を持っていたら、「新たなゲーム機を出すときに対応できない愚鈍な開発者」というレッテルを張られても不思議はありません。そうした意味でも「マジコンを規制することがゲーム開発の天才を潰すことになる」なんて理屈はデタラメ以外の何ものでもありません。小倉弁護士の悪い癖ですが、「理屈が通らないほど極端な例を挙げて、物事を否定する」というのは論法として筋が悪いと言わざるを得ません。常識的な考えを持つ人は「それは極端な例の問題であって、物事そのものの問題ではない」と感じてしまうからです。

いずれにせよ「マジコンを合法とすべき」と主張を、この段落の文章はあらゆる意味で否定しているわけです。実はそのお友達のためにマジコンを規制してあげたくて、あえて道化を演じているというのでもなければ、「書かなきゃいいのに」と思われる程度のことです。

ちなみに、追記には興味深いことが書いてあります。
ダウンロード数がカウンター表示されているサイトに関していえば、違法複製物アップロードサイトにおける1サイト1タイトルあたりの平均ダウンロード数が約8885回であったのに対し、自主製作ソフトアップロードサイトにおけるそれは約6124回
自主製作サイトはメーカー側の偽装という話も見た覚えがありますので、真偽はわかりません(判決文を読みたいものです)。マジコンの販売台数はわかりませんが、DS所有者100人に1人が持っているとしたら、約25~30万台普及しているというところでしょうか。この場合、マジコン所有者の5%程度が遊んでいるゲームということになります。何個の自作タイトルが公開されていたのかわかりませんが、DS全体に換算すれば60万本のヒット作に相当するということにもなります。いったいどんなゲームが公開されていたのでしょうか。そんなに面白いゲームなのであれば、マジコンではなくパソコン向けに作り直して公開してみてほしいものだと思います。

posted on 2009年3月9日 23:03 投稿者 mohno

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