mohno

ドメインに関する話題を取り上げます。と思いましたが、まあ色々と。

JASRAC はカネカネ言うべきではないか?

いよいよ締切間近で佳境を迎えるかと思っていたブック検索の件が4か月も延期になり、なんだか拍子抜けしている今日この頃なので、保留していた件を取り上げてみる。

いつも冷静なエントリを書かれている heatwave さんが「我々の権利を軽んじつつ、自らの権利(利権)ばかり拡大しようとするJASRACの人」というエントリで怒りをあらわにされているのだが、私は疑問を持った。もっとも、リンク先で紹介されている記事におけるいではく氏の発言には、こんなものがある。
さらにいで氏は、過去の著作権分科会で主婦連合会常任委員の河村真紀子氏が、「自家用車で聞くために、消費者はもう1枚同じCDを買うのか」と疑問を投げかけたことを取り上げ、「当然だと思う」と説明した。
JASRAC に著作権を委託しているアーティストたちに、これを共有できる認識かどうか、あるいは皆が実践しているかどうか、尋ねてみてほしいものだ。そんなことを実践している人は、いてもごく少数ではないか。会員の多数に賛同されないのであれば、組織の代表としてふさわしくない。その意味で heatwave さんの怒りをかっても仕方がない記事ではあるのだが、疑問に思ったのは、この点だ。
二言目にはカネカネカネカネ言いやがって

大体ね、一言目なんてどうでも良くて、その二言目を言いたいだけでしょ。「○○だ!だから金よこせ!」そればっか。「尊重」だの「リスペクト」だの、全く規準にならないものを持ち出していちゃもんつけてくるんだからほんとたちが悪い。それこそ、文化の支え手である我々を「尊重」も「リスペクト」もしてないんだろうね。
実のところ、私は JASRAC というのは著作財産権を委託された組織として、むしろカネカネだけ言っていればいいんじゃないかとすら思う。もちろん著作物という文化の一端を担う役割を請け負っているのだから、文化的活動を否定するものではないのだけれど、私からすると、
二言目には文化、文化言いやがって

だいたいね。文化と言えば、我々がなびくとでも思っているのかね。そもそも文化的活動なんてアーティストに任せておけばいい話で、JASRAC なんて著作財産権を管理する組織に過ぎないわけでしょ。いい作品だと思えば、ユーザーは勝手にリスペクトするよ。JASRAC は会員の著作財産権を守ります、と言えばいいものを、自ら率先して文化という、まったく基準にならないものを持ち出して、いちゃもんをつけてくるんだから本当にたちが悪い。文化の作り手であるアーティストを差し置いて何様のつもりだろうね。
って感じなのである。もちろん、おおっぴらに「お金」の話をすることが、必ずしも一般に受け入れやすいことではない。しかし、JASRAC に任されているのは、まさに「そこ」なのだから、そこから逃げて議論しても収拾がつかなくなるだけではないか。というか、そこを任されているからこそ、カラオケ屋に取り立てに行っているのではないのか。アーティストたちが JASRAC に任せているのも、そういう部分のはずだ。まあ、アメリカのように「海賊版のダウンロードは違法です」とアピールできない現状を理解しないでもないが、JASRAC に求められているのは、カネカネ・・・もとい、ビジネス的な判断ではないか。

余談。

最近知ったのだが、YouTube や MySpace は、ライセンス料としてかなりの額を払っているようだ。この記事によれば、「総経費7億1100万ドル」「ライセンス料…総経費の36%程度」ということで、YouTube によるライセンス料の支払いは年間250億円にも上る。あるいはこの記事によれば、「毎月文字通り数十億曲を再生」「標準的な使用料は1曲1回あたり0.5セント程度」ということだから、MySpace は毎月10億円単位での使用料を支払っていることになる。こう言ってはなんだが、年間100億規模の支払いがなされるのであれば、JASRAC だって、RIAJ だって、音楽のネット利用に前向きになるのではないだろうか。そのリスクを誰も負おうとせず、「管理組織の保守性」を非難したところで、いつまでも「新しい方向」には進まない気がするのだが。

posted on 2009年4月30日 23:45 投稿者 mohno

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