mohno

ドメインに関する話題を取り上げます。と思いましたが、まあ色々と。

「ソースにあたれ」はジャーナリズムの基本じゃないの?

まあ、ブロガーがみんなジャーナリストを目指しているわけではないだろうけれど、ブック検索の和解について語るなら、まず当事者である和解管理者に聞いてみるべきではないだろうか。彼らは(つたない訳者を通じてだけれど)日本語での質問も受け付けている。勝手な解釈で黒船だの利権の破壊だのと位置づけてしまっても、あさっての方向への反発を招くだけで、なにも話が前に進まない気がするのだけれど。

ブック検索の和解が目指しているもの(あるいは合意しているもの)は、世の中で書籍として入手できなくなった著作へアクセスできるようにすることである。これからはオンラインの時代だから著書はすべてオンラインで見られるようにすべきなのだとか、著者はそれをデフォルトとして考えるべきなのだとか、そんな思想的な変革を意図しているわけではない。もちろん、著者の意思としてそういう選択をするなら、それに応える制度(パートナープログラム)はあるけれど、著者の知らぬ間にこっそりと著作物を活用させてもらおう、ということを意図しているわけではない。それなのに、外野がそういうことを吹聴したら、反発されるのは当然じゃないか。ハッキリ言って彼らの意思が正確に実現できるのなら、私はたいして問題視するようなことはないとすら思う。

私が問題視しているのは、あくまで「仕組み」である。彼らの意思がどうであれ、現実に提案されている仕組みは、彼らの意思を正確に反映するには程遠い、と私は思う。それに、翻訳の質は相変わらず酷い。たとえば、トップページに掲載された期限延長の案内は、こうなっている。
除外期限は 2009/05/05 から 2009/09/04(「延長後の除外期限」)に延長されました。最終公正公聴会は 2009/06/11 から 2009/10/07 に変更されました。してください。
なにを「してほしい」んだ、お前は。(※追記あり)私が携わっている業務でも、機械翻訳による、あまり質の高くない訳文が使われている面はあるのだけれど、著作者の権利という重大なものに対する解説にしては、あまりにお粗末である。酷い誤訳については2ヶ月前に連絡したし、他にも誤訳が散見されるのだで、ちゃんと直しておけと言っているのだが、なんら修正されていない。日本語 FAQ の期限は5月5日のままだ。まあ、一応、理由は推測できる。和解管理者の受け取っている金額は一定なのだから、訳語が酷いとしても、全面的な修正のためにさらに投資することは難しいのだろう。だが、それで責任を果たしていると言えるのだろうか。

版権レジストリについても現実に販売中のものが絶版扱いになっている。だから「勝手に使われてしまうのではないか」という懸念を招いているのだが、はたして全面的な見直しをするのだろうか。あるいは「誰でもアクセスできてしまう」という問題を排除することができるのだろうか。

期限が延長されたことで、まわりの盛り上がりに比べると、私はややスピードを緩め気味ではあるのだけれど、諸々出てくるものが「そんなこと、まず和解管理者に聞けよ」という話ばかりなのは、なんだかなあ、と思う今日この頃である。まあ、今月末には日本の団体と話をするそうだけどね。

※2009.5.7追記。「詳細はここをクリック」というリンクが追加された。

posted on 2009年5月4日 23:50 投稿者 mohno

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