独自ドメインによるサイト構築の概要
ドメインの登録
ドメインとは、インターネット上の住所のようなものです。たとえば、このサイトは DomainFan.com というドメインを使って、世界中のインターネットサイトの中から、このサイトの場所を特定しています。インターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供する「ホームページサービス」の場合、http://member.nifty.ne.jp/membername/ や http://myname.tripod.co.jp/ のように ISP 自身のドメインに対する、サブディレクトリやサブドメインという場所が割り当てられることになります。自分でドメインを取得し、ホスティングサービスを利用することで、自分だけの名前のサイトを構築できます。
たとえば、www.mydomain.com というサイトがある場合、.com はトップレベルドメイン(TLD)というもので、mydomain.com がドメイン名です。ドメインを登録する業者のことをレジストラと呼び、レジストラごとに扱っている TLD が異なります。米国の業者であれば、ほとんど .com/.net/.org という gTLD(グローバル・トップレベルドメイン)のドメインを登録できます。com は commercial、net は network、org は organization をあらわすことになっていますが、ドメインを取得するときに、とくに制約はありません。2001年秋には、情報(information)やビジネス(business)をあらわす新しい gTLD として .info/.biz が追加され、これらを扱う業者も増えています。
また、.co.jp の .jp のように国の情報を含むものを ccTLD(国別トップレベルドメイン)と言います。cc とはカントリーコードのことで、2つの英字で国をあらわします。.jp も日本をあらわす ccTLD です。.co.jp や .ne.jp のように .jp の前に目的をあらわすセカンドレベルドメインを含むものを属性型ドメインと言い、.jp のように何も付属しないものを汎用ドメインといいます。日本の汎用ドメインの運用がはじまったのは最近のことです。ccTLD を扱う業者もありますが、gTLD よりも維持費が高いというのが普通です。なお、2002年4月には米国のカントリーコード .us の汎用ドメインが登録できるようになり、米国の業者の多くは .us ドメインの登録を受け付けています。
ドメインの登録は先願順であり、誰かが登録しているドメインを登録することはできません。ドメインは最低1年単位で更新しなければならず、更新を忘れると登録が削除されてしまいます。レジストラによっては、更新直前になっても連絡してくれないケースもあるそうなので、取得したドメインの有効期限はしっかり把握しておく必要があるようです。
ドメインとして使える文字は、英数字とハイフン(-)です。ただし、ハイフンを先頭または末尾に使うことはできません。特に今年(2005年)に入ってからドメイン登録は急速に増えており、汎用性の高い単語はもちろん、「誰もが思いつくような言葉」はたいてい登録済みになっています。とくに、.com > .net > .orgの順で人気があり、.com でよいドメインが空いていることはまずありません。しかし、言葉の組み合わせは無限ですから、これまでホームページサービスを利用したことがなく、サイトを構築するのがはじめてならば、2つの単語を組み合わせたような「空いているもの」を使うとよいでしょう。ドメインの場合、空いているものを使うだけでなく、よいものを購入するということも考えられますが、最初はお金のかからないドメインを使い、将来的にもサイトを維持しつづけることが確定するようになってから考えればよいでしょう。
なお、ドメインを登録すると登録者の情報は whois というデータベースに蓄積され、一般に公開されます。たとえば、Network Solutions(netsol.com)による netsol.com ドメインの情報は netsol.com の whois のようになります。記載されているメールアドレスなどを spam などの目的で使うことは禁止されていますが、これらの情報は正確に登録することを要求されているので、あらかじめ自分の住所や電話番号といった個人情報が公開されることについての覚悟が必要です。これは、女性の方にとって障害となることもあるでしょう。この場合、家族や知り合いの名義で登録するということも考えなければなりません。
ホスティングの申し込み
ドメインを登録したら、ホスティングを申し込みます。ホスティングは、日本ではレンタルサーバーと呼ぶことも多いようです。かつて、独自ドメインで Web サイトを運用するために、サーバーを用意したものですが、今ではホスティング会社が持っているサーバーを複数の利用者で「共有」して利用することができます。このことを共有ホスティング(Shared Hosting)と呼びます。
現在、非常に多くのホスティング会社があり、提供されるサービスの種類や内容もさまざまです。海外では年間数ドル程度の費用で利用できるサービスもあります。ただし、多くの会社が乱立する分、淘汰されていく会社も少なくありません。とくに、サービスを始めたばかりの頃はユーザーが少ないためサーバーも速くサポートのレスポンスもよいのに、時間が経ってユーザーが増えるとレスポンスやサポートが悪くなるというケースがしばしばあります。最近では、日本でも安いホスティングサービスが登場しています。どのホスティング会社を使い、どのプランを申し込むかを決めるためには、さまざまな基準があります。たとえば、「転送量」「容量」「メールアカウントの数」「CGI やデータベースなどの機能」「規約」そして「料金」などです。
「転送量」(transfer)は、Web サイトからどれだけのデータが流れたかをあらわすもので、バンド幅(bandwidth)と呼ばれることもあります。転送量は、ホームページサービスでは気にしないケースもあるようですが、共有ホスティングでは重要なポイントになります。ホスティング会社の経費に直接関わってくるからです。たとえば、このサイトのトップページのようにテキストと簡単なイメージで構成された20KB程度のページに対して、毎日100件のアクセスがあるとすると、1ヶ月あたり20KB×100件×30日=30MBの転送量が必要になります。複数のページがしばしばアクセスされるようならば、それだけ転送量も多くなります。また、特にデジタルカメラを使った画像や音声/映像などのマルチメディアファイル、自作プログラムを公開するといった場合、1ヶ月の転送量が数GB~数10GBを越えることもありえます。このような場合は、最初から「転送量」の上限の多いところを選択するべきです。ほとんどの会社は、転送量が超過した場合に追加分について料金を請求してきますが、この超過料金がホスティング自身の価格に比べて割高であることも珍しくありません。なお、転送量が「無制限」(unlimited)と表示しているところもありますが、この場合、利用規約でマルチメディアファイルを禁止していたり、ポータル(人が集まる)サイトの構築を禁じている場合などが多くありますので、注意してください。
[容量」は、Web サイトを構築するためのファイルを登録する場所のサイズです。あまり多くの利用者を想定していないけれど、画像やマルチメディアファイルを登録しておきたいという場合は、多くの容量が必要になります。たいてい、この「容量」には電子メールを受け取る場所も含まれるため、大きな添付ファイル付きの電子メールを受け取る必要がある場合にも、それなりの容量が必要です。とくに複数のメールアカウントを使う場合は、それぞれのアカウントごとの容量を考えておく必要があります。
「メールアカウントの数」は、そのドメインで使えるメールアカウントの数です。たとえば、管理者としてひとつだけメールアドレスを使う場合、あるいはそのドメインでは電子メールを使わない場合は、メールアカウントの数が少なくても問題ありません。しかし、家族や組織・団体で同じドメインでメールアカウントを使う場合、複数のアカウントが必要になります。
「CGIやデータベースの機能」は、単純に決まった情報を公開するだけでなく、このサイトのようにカウンタを使ったり、掲示板を用意する場合に必要なものです。Web サーバー側で動作するプログラム(スクリプト)言語には、ASP、ASP.NET、PHP、Perl などがあります。また、掲示板などスクリプトの種類によってはデータベースが必要な場合もあります。この他、サーバーサイドインクルード(SSI)やアクセス統計、Web ベースのコントロールパネルの有無などがあります。
海外のサービスの場合、「規約」はTerms of Service(TOS)、Acceptable Use Policy(AUP)、Terms and Conditions などと表記されており、ホスティングを提供するための条件、制約事項などが書かれています。たいていの場合、SPAM メールの配信、著作権を侵害するような不正なファイルの公開、アダルトコンテンツ、CGI で過大な負荷をかけることなどが禁じられています。これ以外にも、さまざまな条件が課せられている場合があります。海外のサービスを読む場合、英文を読むことが厄介なこともありますが、制約が厳しい場合、思い通りのサイトを構築できないこともありますので、よく読む必要があります。
「料金」の支払いは、海外のホスティングサービスの場合、クレジットカードを使うのが一般的です。PayPal というサービスを受け付けているところもありますが、このサービスを利用するためにはクレジットカードが必要です。ほとんどの場合、料金は月単位または年単位で示されています。月単位の場合でも3ヶ月や半年前払いすることで、割引が適用される場合があります。また、数日~30日程度の期間について「払い戻し保証」(Money Back Guarantee)を用意しているところもあります。通常、サイトが稼動するためには申し込みから数日かかりますので、あまり期間が短い場合は、安心できるかどうか評価しにくいかもしれません。また、まれなケースですが、悪徳な業者の場合、アカウントを解除しても料金を請求してくる、あるいは余計な料金が請求されてくるというケースもあるようです。
ホスティングサービスを利用する際に、ユーザー向けの「フォーラム」が設置されているかどうかはよい基準となります。フォーラムが設置されていれば、そこで利用者のメッセージを確認できます。ホスティング会社自身が丁寧にコメントを書いているかもしれませんし、そうでなくてもサーバーの速度がFAQ が充実していれば、ユーザーどうしで活発な情報交換が行われているかもしれません。フォーラムが設置されているにも関わらずサービスがよくない場合は、フォーラムが荒れますから、そのことからも利用者が満足しているかどうかがわかります。
ホスティングを申し込む会社とプランを決めたら、実際に申し込みを行います。ホスティングを申し込む場合、通常使いたいドメインもあわせて申請します。必ず登録が完了したものを使ってください。申し込みと同時、または後でドメインを取得しようとすると、そのドメインが誰かに取られてしまうと使えなくなります。
DNS の設定
ホスティングを申し込むと、早いところでは1時間以内に、遅くとも数日中に「あなたのアカウントを作成しました」という通知が届きます(申し込みの仕組みが異なるところもあります)。このとき、ドメインに対して割り当てる DNS(ドメインネームシステム)サーバーの名前が通知されてきます。通常は、プライマリとセカンダリという2つのネームサーバーが通知されます(ns1.hostingcompany.com や ns2.hostingcompany.com というものです)。ネームサーバーは、ドメインを登録したレジストラで割り当てます。
このネームサーバーは階層化されており、このおかげで世界中のどこからでも適切な場所を参照できるようになります。ただし、ドメインの情報が世界中に伝播するためには 24~72時間くらいの時間がかかるとされています。ただし、最近ではほんの数分で反映されることもあります。この伝播が完了するまでは、ドメイン名で直接サイトを見ることはできません(Windows の場合、自前で hosts ファイルを編集することで対応する方法はあります)。なお、http://www.hostingcompany.com/~username/ という形式で、参照できる場合もあります。
Web コンテンツの作成と登録
1~2日経って、http://www.mywebsite.com/ でアクセスできるようになったら、いよいよ Web サイトの内容を設計します。また、HTML テキストの編集については、ここでは紹介しません(何しろ普段はメモ帳を使っているので、紹介すべき情報を持ち合わせていません)。
通常のホスティングサービスであれば、FTP サーバーを使ってファイルを転送できます(たいてい ftp.mywebsite.com のような名前になります))。DOS プロンプトなどで ftp ftp.mywebsite.com とすれば、ファイルを転送するための ftp サイトにアクセスできますが、ここはツールを使うほうが便利でしょう。最近では、Windowsエクスプローラにftpアドレスを入力するだけで、ネットワークストレージのようにファイルを扱うこともできます。
また、Web ベースでサイトの設定を変更するための「コントロールパネル」と呼ばれるものの中に、Web サイトのコンテンツを編集できる機能を持つもの(ファイルマネージャなどと呼ばれる)もあります。こうした機能を使えば、「多少の修正」や「簡単なページの作成」はできます。しかし、この機能だけで、それなりの規模をもつサイトを作るのは大変でしょう。
電子メールの設定
受信用の POP3 および送信用の SMTP メールサーバーは、たいてい mail.mywebsite.com という名前になります。こうした設定は、たいていコントロールパネルでできるようになっています。アカウントを追加すれば、Netscape Messanger や Outlook Express など一般的なメールリーダーを使えば、メールの送受信ができます。ホスティング会社によっては SMTP が使えなかったり、そもそもメールは転送するだけで自前のメールサーバーを提供しない場合もありますので、注意してください。また、SMTP を使う場合でも「認証」という仕組みを要求するところが多くなっています。この場合、Outlook Express 以外のメーラーでは受け付けられない形式が使われている場合もあるようですので、注意してください。